村上春樹風に語る悲劇
ペレアスとメリザンド、そしてPMFオーケストラ。重要な2つの公演が重なったこの日ですが、金沢でのペレアスとメリザンドの観劇を敢行したので、安心してPMFオーケストラの東京公演を聴きに行きました。曲目はバーンスタイン、そしてマーラー。つまりはレニーに捧げる公演です!(個人的に断定、笑)
PMFオーケストラ東京公演
(サントリーホール)
指揮:ワレリ-・ゲルギエフ
フルート:デニス・ブリアコフ
ヴェルディ/歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
バーンスタイン/ハリル
マーラー/交響曲第7番ホ短調
(写真)公演のプログラム。いただいた瞬間、感動で涙が出そうになりました。
この公演、当初はヴェルディではなく、モーツァルト/オーボエ協奏曲が予定されていました。しかし、オーボエのサンフランシスコ交響楽団首席奏者のユージン・イゾトフさんが、最近負った手のけがのため、キャンセルとなりました。イゾトフさんには早いご回復をお祈りします。
と思ったら、何と!イゾトフさんはソリストでの出演はキャンセルされましたが、PMFアメリカ教授として札幌に来られて、そしてオケのメンバーとしてご出演されていたそうです!何と言う責任感!イゾトフさんのメッセージには「PMFファミリーの一員であること、世界から参加する優れたアカデミー生を指導し、日本の聴衆の皆様と音楽を通してつながることは大きな喜びです」とありました。PMFの絆って本当に凄い!
前半1曲目はヴェルディ/シチリア島の夕べの祈り序曲。リズミカルに突き進むヴェルディらしい曲。オケも勢いがあって、本当に気持ちの良い演奏でした。
2曲目はバーンスタイン/ハリル。冒頭からヴィブラフォンが印象的な、武満徹に似た雰囲気の音楽。ソロとオケの2本のフルートの掛け合いが素敵です。よく聴くと、ハープが調性を整え、感傷的な響きを先導していました。早くも涙…。その後は、パーカッション陣が活躍する複雑なリズムの曲に。
そしてフルートのソロ。悲劇、絶望、諦念など、あらゆる感情が交錯します。バックでは何度も炸裂するパーカッション。しだいにソロのフルートが止まり、オケのフルート1本になってしまって、また悲しい…。
しかし、ヴァイオリンとハープによるささやかな長調、希望の音楽。ここで、また涙…。最後はソロのフルートが、シベリウス7番のラストのような、飛翔を思わせる解決の和
!素晴らしいフルート!素晴らしい曲!
後半はマーラーの7番。冒頭からオケが大変アグレッシブ。とにかく躊躇せず、よく鳴らします。札幌で参加したPMFマスタークラスで、オーボエのジョナサン・ケリーさんやホルンのサラ・ウィリスさんが「舞台の一番奥まで聴こえるように」と何度も指導していたことを思い出しました。
若さ溢れるアグレッシブな演奏からは、曲のイメージがどんどん伝わって来ます。全体的にはクリムトの絵を思わせるようなグロテスクな美しさ。ハープからヴァイオリンの高まりにウットリ。ホルンの代わりにコントラバスが冒頭の旋律を奏でるところの雄弁さ。
その後のホルンとトロンボーンは、ほとんど最後の審判の天国側と地獄側のよう。第6番の特徴的な下降音が出てきますが、あたかも人の顔が一瞬で悪魔の形相に変わるような印象。とにかくイメージのバンバン膨らむ演奏でした。
第2楽章は夢見心地の音楽にひたります。第3楽章は最初の方の跳躍するヴァイオリン、続く木管が亡霊のような響き!逆に最後のツッチャ!は、何とちょい溜めで優雅に!まるで、いろいろ悪夢にうなされたけど、ハッと気付くと最後ウィンナ・ワルツを踊っていた、そんな物語のように聴こえてきます。
第4楽章は2月にパーヴォさんとN響で聴いた時に気付いた、主題が3回目に返ってくる前の天国的な音楽に、またしても魅了されました。
そしてアタッカでそのまま第5楽章に。最初のティンパニから、もう最速の入り!そのままの突き進んでいく、非常に勢いを感じる演奏です。いくらなんでも最後のコーダの場面は、少しは溜めるのかな?と思ったら…、そのままのスピードで駆け抜けました!(笑)
豪快なゲルギー節きた~!オケも見事に期待に応えた大熱演!
いや~、また凄いもの聴きました!好みとしては、第5楽章はもっと緩急をつけた演奏の方が好きですが(バーンスタイン/ウィーン・フィルの旧盤での、乱痴気騒ぎになる瞬間の加速!)、ここまで潔く突き進まれると、グウの音も出ません(笑)。
観客も大熱演に盛り上がっていましたね!帰り道でも「パッションを感じた!」「PMFはいつも感動できる!」など、興奮した声があちこちから聞こえてきて、また嬉しくなりました。札幌でも感じましたが、PMFを聴きにくる方々は本当に温かい。音楽家たちの演奏にケチを付けるような「野暮」な人はいない印象です。これからもドンドン伸びていく若手、期待を持って見守りましょう!
ところで、PMFの総合プログラムには、「バーンスタインとゲルギエフ」というコラムが載っていました。ゲルギエフさんはかつてレニーとランチを共にする機会があり、マーラーについて、メトロノーム表示、弦楽器のサウンド、楽章間のバランス、親密的な部分と外交的な部分のバランスなど、色々な話を5時間以上もしたそうです!
別の機会では、ウイスキーを浴びるように飲むレニーが酔
払ったら、せっかくの貴重な話が聞けないので、自分が先に飲んで、ボトルを開けるようにした、という逸話がありました(笑)。多忙を極めるゲルギエフさん、PMFに参加していただいて、本当にありがたい限りです。
以上、PMFオーケストラの東京公演でした。この公演は、札幌では「プログラムC」の位置づけとなります。7月15日にプログラムA、22日にプログラムBを札幌で聴いたので、今年のPMFオーケストラのプログラムはA・B・C全て聴くことができました!バーンスタイン生誕100周年の特別な年のPMF。沢山参加できて、一生の思い出となりました。
PMFの若手のアーティストのみなさま、指導に当たられた世界中のオーケストラのトップ奏者のみなさま、事務局を始め関係者のみなさま、そして札幌のみなさま、本当にありがとうございました!
(追伸)先週末の金沢の旅行の写真を全てアップしました。文字だけの記事を見て、これじゃ分からん?と思われた方、写真が入るとイメージが全然違うと思うので、良かったらご覧ください。
(参考)2018.7.28 山代温泉周辺観光(那谷寺&九谷焼&魯山人&温泉)&山代大田楽
(参考)2018.7.29 山中温泉観光(鶴仙渓)&金沢観光その1(伝統産業工芸館&県立美術館&志摩)
(参考)2018.7.30 金沢観光その2(兼六園&山乃尾&泉鏡花&徳田秋聲&蓄音器)
(参考)2018.7.30 ドビュッシー/ペレアスとメリザンド(マルク・ミンコフスキ/オーケストラ・アンサンブル金沢@金沢)
悲劇や泥棒が存在する世界に、僕の愛する家族は住んでいる。
じいさんの
古希の誕生日を
祝うために
義弟の家に集まり
焼肉パーティーが
催されました。
そこで
おっさんは手際よく
と
大人たちの肉を焼き
子ども達に
肉を配りながら
完璧な
ホットプレート奉行
をやりきり
そう思っていました。
無事
古希の誕生日が終わった
2日後の夜
次男が
急に
腹の痛みを訴え
30分ごとに
トイレに行って
『お腹が痛い!』
と
泣きだしました。
次の日になっても
腹痛を訴えるので
病院に連れて行くと
『何で
わかるんですか?
焼肉
しましたよ!』
こうして
責任をギリギリ
回避できるか
できないか
の当落線上を
綱渡りすることになった
おっさんでしたが・・・・
明日に続く・・・。
完
今ここにある悲劇
柴犬 男の子 ひなた7歳 あお、そら6歳
犬が嫌いだった父が、柴犬3兄弟と暮らし今に至るまでの物語です。
なぜ犬を嫌いになったのか?
なぜ犬を3匹も飼うことになったのか?
今までの苦労の過程と
家族と犬たちへの思いの記録です。
犬嫌いのきっかけとなった少年時代の記憶
2つの地震が与えた影響とは
守られることのなかった約束
ブリーダーから渡された小さな箱
慣れない父は子犬をぶっ飛ばしてしまう
はじめての子犬に戸惑いながらも受け入れていく
動物病院デビューは緊張と失敗
父の判断が子犬を苦しめる
散歩に行くまでの苦労と喜び
2匹目登場、多頭飼いのはじまり
犬に襲われる子犬、父の油断が悲劇を招く
3匹目が増えて様子が変わっていきます
おどろきの末っ子登場
ひなたは弟たちの守護神
犬たちへの感謝の手紙
完
ひなたで犬のにおいを知った父
父が更新
写真集のKindle版を自分でも購入してみました。ちょっと親ばか。想像以上にきれいでした。拡大もできて見開きページも1枚で見えます。今後は電子版が普及するかもしれませんね。
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