モバゲータウンで一石二鳥が問題化
一石二鳥マニアのサイト。
ダンナの手に触れたのは何年ぶりだろう…
結婚してからいろんなことがありすぎて、
疲れきっていた私はいつしかダンナと二人で過ごす時間を避けるようになっていった。
久しぶりに触れたダンナの手は氷のようにどこまでも冷たく白い…
いま触れているこの手の温もりを想い出してみようとするけど、
それは遠すぎる記憶まで凍てつかせてしまうほどの絶望的な冷たさだ…
「こちら、ご主人の所持品です。
それとご主人が着られていた服ですが、
救急搬送の際、処置をするのに緊急で切らせて頂きました。
この服はどうされますか?処分してもよろしいでしょうか?」
救急搬送の際、処置をするのに緊急で切らせて頂きました。
この服はどうされますか?処分してもよろしいでしょうか?」
手術着を着た男性の医師がダンナの荷物を両手いっぱいに抱えて部屋に入ってきた。
服は処分するようお願いし荷物だけを引き取る。
ダンナのスーツ、ワイシャツ…
そっか…朝早く搬送されたって言ってたからまだ着替えてなかったのか…
靴にビニール傘…
途中から凄い雨だったから傘、買ったんだ…
カバンの中を開けると愛用のメガネがあった。
スマホに財布…名刺入れ…
そして…
出張用のカバンの底のほうにあった黒いメッシュのポーチ…
その中身を見た瞬間、
私は身体中のチカラが全部ぬけてしまった。
メッシュのポーチの中にはキレイに畳まれたワイシャツが一枚…
それはダンナが自分でアイロンをかけて、
自分でキレイに畳んで、
自分でメッシュのポーチに入れて持っていったのだろう…
私はそのメッシュのポーチをダンナが持っていたことすら知らなかった。
それだけ私はダンナに無関心だった。
苦手なアイロンがけも以前はちゃんとやっていた。
でも私がワイシャツにアイロンをかける度に、
「下手クソだなぁ!!
もっとキレイにかけられないもんかね〜」
とグチグチ文句を言われてダンナがアイロンをかけ直す…
そんなことが何度も何度もあり、
ある日私はアイロンがけ拒否宣言をした。
それ以来、私はダンナのワイシャツにアイロンを一切かけなくなったのだ。
ダンナはアイロンがけが好きで苦にならないって言ってたし、
私も文句を言われないから一石二鳥!ラッキー!なんて…
だからダンナがアイロンをかけているところを見てもなんとも思わなかった。
でも…でも…
このキレイに畳まれたワイシャツを目の当たりにして、
私は言いようのない激しい後悔と罪悪感に襲われた…
私がいい妻じゃなかったから?
ダンナに優しくしなかったから?
仕事が忙しくて疲れているのにアイロンなんかかけさせて出張の用意もしてあげなかったから?
だから死んだの?
私がダンナを殺したの?
「パパ…ごめんなさい…ごめんなさい…
私が優しくしなかったから…
だから死んじゃったの?
こんなことになるならもっと優しくしてあげればよかった…
私が悪かったの…パパ…
ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
私はダンナの冷たくなった手を握りしめて
壊れたように泣き続けた…
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