「メタルギアソリッド」で学ぶ仕事術

 

アリーテ姫

 

片渕須直監督映画作品第1作目。

(上映時間:105分。

公開日:2001年7月21日。

千と千尋の神隠しが2001年7月20日に公開されているので、完全にジブリに食われてしまい、知名度的にも興行収入的にも影に隠れてしまった悲劇の作品です。(^▽^;))

 

これも人を選ぶ作品です。

そして、マイマイ新子と千年の魔法 に通づる評論家殺し的な評価の難しさがあります。

作画的な演出は、地味のオンパレードで、「売れない」理由が一度見たら分かるぐらいです。

途中で帰っちゃう人もいるんじゃないかとも思う。

しかし観る人によっては、とてつもなく心に響くし、

何となく観るたびに作品の内容が分かってきてスルメ映画にもなりえるキワモノな作品。

 

何と言っても、あの片渕須直監督が原作のストーリーを変えてでも、監督の当時の想いや葛藤があったのでは…と考えさせられてしまうほど、訴えかけてきます。

個人的には、この世界の片隅に、マイマイ新子と比べると

作家性が一番強い作品だと感じました。

 

◆個人的評価:★7

(この個人的評価は、他の方には全くと言っていいほど、当てはまりません。観る人によれば★0にも★10にもなります。自分はマイマイ新子より好きな作品です。)

 

◆映画料金に見合っているか…

う〜ん……難しいw結局の所は、その人の感じ取り方次第で変わるのが大きい。一見地味なんだけど、考えれば考えるほど、どれだけ心打たれるか…です。

(さっきから評価できてない件について(^▽^;)w)

 

◆オススメ出来るターゲット層:

ボケーっと映画を観たい方:★0

超絶アクション作画が観たい方:★0

ニーアレプリカント(ニーアゲシュタルト)の音楽が好きな方:★8

作品のテーマを考えて観たい方:★10

自分の可能性に触れたい方:★10

眠れる森の美女 アンチテーゼを観たい方:★10

一人一人の人間に想いを馳せたい方:★10

片渕須直監督の当時の想い、葛藤を知りたい方:★10

 

 

◆以下、ネタバレ無し感想

・起承転結の「転」からの展開からエンジンフルスロットル

この作品の弱点の一つとして、

面白く感じさせてくれるエンジンが、かかるまで凄く時間がかかっていること。凄くスロースターターです。

丁寧に起承を作りすぎてるが故に、転が上映時間残り40分くらいになってからなので、そこに至るまで退屈と思われる方が多いのでは？と思います。

(監督自身も、スロースターターだったことに対しては、興行収入に振るわなかった要因として語っていました。)

言うなれば、マッドマックス 感がこの時には無い。

(この世界の片隅にには、マッドマックス感が導入されてます。)

 

・テーマ曲、主題歌共に素晴らしい。

動画内でも流れているテーマ曲「クラスノ・ソンツェ」ですが、

ニーアレプリカント(ニーアゲシュタルト)を彷彿させるこのようなテーマ曲が聴けるとは思いませんでしたw

このテーマ曲、主題歌共に心に染み込んでくる音楽なのでオススメです。

テーマ曲は、攻殻機動隊SAC のOPも歌われていた今は亡き、ORIGA 氏です…

 

・バカなキャラが展開を冷めさせる。

監督に合わないキャラがいるとすれば、それはバカなキャラだと思わせてくれます。

シーンとしては最初の方で出てきますが、

主人公の葛藤に対して問いかける材料として、バカなキャラが登場している。しかし…舵取り方がキツい。

一見シュールな笑いとも取れるのだが、主人公との考え方の差があり過ぎて、笑うというより、相手をしている事が可哀想と思うくらい。バカなキャラが滑稽に見え過ぎるのが、少々残念なシーンに成り下がってます。

 

・地味な所も踏まえて、本当に訴えたい所だけ作画枚数を振っている。

冒頭で分かるんですが、作画の力の入れ具合が、「そこにいれる？！」と一見首を傾げてしまうのですが、そこが後々に作品自体に響いてくることを考えると、

凄く面白い作画の使い方だと思わせてくれます。

(ただしこの感想は、先程から申し上げているように、考えて観てみないと効果として出ないです。ジブリ作品のようにボケーっとしてても面白いようには見えないです。本当に地味なので。)

 

・この世界の片隅に マイマイ新子 アリーテ姫 から観えてくる片渕須直監督のブレない一貫性。

この三作は、ファンの間では「少女の想像力三部作」とまで言わしめるぐらい「想像力」の大切さ、素晴らしさを起点としている事が分かる。

それを16年間貫き通しているこだわりは、もはや狂気とすら感じさせられる。

「多くの人に観て欲しい」と夢は見るが、

決して売上の為だけに万人受けする要素を盛り込まない姿勢は、賛辞を讃えざるを得ない。

そして、もう一つが「普通の人々の生活、機微」を丁寧に描き出している所。

主人公より大切に扱っているんじゃないか…と思わせてくれるぐらい主人公を取り巻く、遠いけど近くにある環境を大切にしていると感じられる。

 

以下のネタバレ感想にて…

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・「アリーテ姫＝片渕須直」である。
(上記のことについては、片渕須直監督がNHKのインタビューでも
「アリーテ姫は僕自身の投影だったと思います」と答えている。)

アリーテ姫の初台詞から、まさに片渕監督が自身への問いかけを行っているシーンとなっている。
そのセリフが…

「本物の魔法使いのものとは違うけれど、
人の手には、確かに魔法のようなものが備わっている…
だとしたら…この手にも…?」

この時の監督の人生背景には、世界名作劇場 名犬ラッシーを手掛けていた。
それがテレビアニメ視聴率低下による打ち切りで終わる結果となってしまった。
監督は
「今までやってきたことが全否定された、意味をなさなかった様な気持ちになった。
いつも本気で臨んでしまうかこそ、かえってダメージが大きかった。
自分には、いったい何ができるだろうか…」

という心の葛藤の背景があったからこそ、
アリーテ姫の口から発せられる言葉には、当時の片渕監督の苦悩や葛藤、重みを感じます。
「人の手には、何かが出来る力があるはずだ、だったら自分自身にも…」
監督自身の自問自答映画でもあります。

・絵的には子供向けとも見えるが、言葉の数々は大人が本気が考えるぐらい深い…
まさかこの絵柄で、こんなに重たいセリフを聞けるとは思わなかったぐらいだ。
基本的にアリーテ姫のセリフ一つ一つが全て重い。

ある魔法使いからの問いかけでは、
「おや、まぁ…人生には、まだ意味があると思っているのかい？」
「……当り前じゃない。」
や、
「あ
の門を出て、お姫様何かじゃない何かになろうと……
外の世界に待つ挫折でさえ、今の私は味わいたい…」
もはや子供向けアニメで出る言葉ではない件についてｗ
この頃の作品から片淵須直監督の目指しているものは、
「子供が観やすいアニメ描写で、大人も考えて観れる。全世代に向けて発信できる作品」
という難題に挑戦してる姿勢は、賞賛せざるを得ない。

・実はファンタジーではなくSF。
この作品では、魔法という言葉が多く登場するが、
後半になるについて、魔法の正体が分かってくる。
(僕らの現実世界ではまだまだなしえない効果ばかりなのだが…)
魔法の正体は科学技術の結晶。であり、
その科学技術は人の力で作り上げたものだということを思い知らさせる。
結局のところ、人自身が生み出す力は魔法を同類、
あるいはそれ以上のものと訴えかけているのが、見事に爽快感を出している。

 

・魔法に直接頼らないアリーテ姫の力強さ。

これはちょっと度肝を抜かされてビックリした。
魔法使いからくれる「指輪」が登場するのだが、
「指輪をこすって願い事を唱えると叶う。しかも3つまで」という物語の後半を、
盛り上げるであろうアイテムと予想していたが、
それが自身の本当の思いとは違う形で使われてしまう。
そう、願い事としては何一つ唱えることもなく、
アリーテ姫は、自身の力と本来望んでいない願いごとで出た道具を駆使することにより、
問題を解決するのだ。
魔法に頼らずとも、困難を乗り越えようとするアリーテ姫を姿勢には感動する。
監督と同じ「諦めない心＝心の力」を持っているからこその爽快な展開がなされている。

・眠れる森の美女のアンチテーゼ
まさに眠れる森の美女が「果報は寝て待て」に当てはまるのならば、
アリーテ姫は、「寝てることほど、ぼーっとしていることほど、生きている価値がない」と
「待つことの無意味さ、無力さ」を訴えている。
眠れる森の美女は、オーロラ姫が「寝ている」から「死んでいると同じレベル」だから成り立つのだ。
寝ていなければ、ただの拷問、拘束でしかない。
結果、生きていることをテーマとした場合、アリーテ姫という作品にたどり着く。
眠れる森の美女…(´･ω･｀)

 

・登場人物、誰も泣かないのに泣ける…

視聴者を単純に泣かせる方法は、誰かが感情いっぱいで泣けばいい。悲しいシーンで泣かせて、同情に誘導させればいい。演者の演技力は必要だが、泣かせる手法は確立している。

(代表例：君の名は。 や 湯を沸かすほどの熱い愛)

しかし、この作品の登場人物は「誰も泣かない」。

どの様に感じてもらうかは、完全に視聴者に委ねている。だからこそ強制力が無く、恐ろしいほど泣けてしまう。

 

自身の一番のお気に入りシーンは、

アリーテ姫が窓から見る城下町を俯瞰した状態でPANする(=カメラが動いていく)シーン。

カメラ、演出、BGM、語り…

一つ一つは本当に地味であるが、今作で一番破壊力があり、涙が止まらなかった。

窓から見える一人一人に思いを馳せるアリーテ姫。

唯一世界とつながる方法でもあり、同時に羨ましさを持ち、

人の数だけ物語があり、誰もが主人公であることを悟るのだった。

 このシーンを見ているだけで、ふと自分は今までやってきたゲームで登場した何気なく見ていた登場キャラクターを思い出しました。

ドラゴンクエストのスライムだって、生活があり家族だって居たかもしれない…

モンスターハンターも、たかが強い武器を作るためにリオレウスを何百体と殺してきた自分だったが、

そのリオレウス一つ一つにも家族が存在しただろうし、どの様に毎日を生活していたのだろうか…日々の生活の中に現れる異物感満載のハンターの存在は、どの様な気持ちで立ち向かっていたのだろうか…

メタルギアソリッドでは、兵士がクローン。

ニーアレプリカントでは、人類。

…と、

(そんなこと言ってたらゲームなんて出来ないよ…って感じられた方はサラッと受け流して下さい(^▽^;)w これを機にゲーム止める気も更々ないのでw)

どんな存在であろうと、生きとし生けるものに対する「尊敬」「敬愛」「素晴らしさ」を前面に語りだし、自身もその一つであることに気付く。

子供には、早すぎて理解できないであろうシーンだが、

誰しもが生きていき、人生を積んでいくことによって、このシーンの重みは深くなる。

年を取れば取るほど、このシーンは深みは遥かに増す。

 

よく聞く言葉で「年を取れば、涙もろくなる。」がありますが、

幼いころは「大人になることは、強くなること」と思っていたので、

意味が分からなかったのですが、

やっとこさ30歳になって、分かりました。

大人になれば、それだけ人生を経験しているからこそ、感じ取れるものが多くなった結果…

だからこそ…ということに気付かせてくれた作品でもありました。

 

もう一つ好きなシーンは、

浜辺を赤ん坊が走り去るシーンです。

(ここについては、映像を見た方がグッとくるので多くは語らないです。)

 

それからもう一つ……

おススメできるターゲット層があるとすれば、

人生に疲れた、社会に疲れた、挫折したという方

や

新社会人の方で仕事に悩むようになった方には、

おススメな一本かもしれません。

(思いつめる前に観てみて、損はない。と思います。)

片渕須直 監督 脚本
森川聡子 キャラクターデザイン
千住明 音楽
大貫妙子 歌
金色の翼 
ORIGA 歌
クラスノソンツェ

 

 

 

 

■パチスロ機種別・設定推測＆攻略

今までまとめた各機種の設定推測要素をUPしています。
新しい機種から追記していく予定です。

・

＊解析情報は随時追記でＵＰします。
＊私がネットで調べた情報なので、参考にされる際は自己責任でお願いします。

■

＊画像クリックで解析記事にジャンプします。
＊ホールから撤去、また設置台数の少なくなった機種は
→

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■アイムジャグラーAPEX

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富士川碧砂は声優・寺瀬今日子としても活動しており（「とくダネ！」やアニメ「進撃の巨人」にも出演してます）、プロの声優として高品質な音声クオリティを自負しておりますので、ぜひご応募いただけたらと思います。
※2013/7/19までにお申込みされた方には7/20、それ以降の方は8/1に、ご応募されたメールアドレスにダウンロードURLをお送りいたします。

著者プロフィール

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富士川碧砂（ふじかわ・みさ）
1958年生まれ。1997年、突然の病に倒れ、臨死体験をする。山形県米沢市で霊能者として活動していた祖母の影響もあり、人間の運命や見えない世界に興味を持ち、タロット、西洋占星術、周易、方位取りなどの各種占いの研鑽を積む。占いの的中率が話題となり、2009年、テレビ朝日の人気音楽番組「オンタマ」のスピンオフ番組であるBS朝日「オシタマ」のレギュラーに抜擢され、人気アーティストのタロット鑑定を行う。2010年、テレビ朝日「FUTURE TRACKS→R」に出演し、大物有名歌手を西洋占星術で鑑定。2012年、ケータイ占いサイト「魂の憑代（よりしろ）」が、1ヵ月で会員数7万人の大ヒット。PC占いサイト「凄読占い師・富士川碧砂」やLINE占い「継承霊術 魂の憑代」も人気ランキング上位をキープしている。
青二プロダクション所属の声優・寺瀬今日子としても活動し、テレビ朝日「オンタマ」、フジテレビ「とくダネ！」等のナレーションを担当。特撮「魔法戦隊マジレンジャー」（冥府神スフィンクス役）、アニメ「YAWARA!」（さやかの母役）、ゲーム「メタルギアソリッド」シリーズ（メリル・シルバーバーグ役）等、多数のアニメ・ゲーム・映像作品の声も担当している。
http://fujikawamisa.net/

▲映画『アウトレイジ ビヨンド』DVD＆Blu-ray発売CM、ラストのタイトルコールをしているのが富士川です。

推薦コメント

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元AFLACインターナショナル会長
中井稔さん

過去70年を越える人生を振り返ってみると、何度も岐路に立ったことを私は思い出します。

大学で機械工学を卒業しながら、経営学を専攻するため米国へ留学したこと。
せっかくIBMへ入社したのに、半年後には、経営コンサルタントを目指して、ピート・マーウィックへ移籍したこと。
米国の、当時ほとんど無名に近い生命保険会社が日本上陸をした際に担当になり、後に、このAFLACに参加し、さらに米国本社へ移り、AFLACインターナショナルを立ち上げ、初代社長に就任したこと。

考えてみれば、私たち一人一人は、それぞれの時点で、このように、いろいろな決断をして、今日に至っていると思います。しかし、これらの決断の際、自身の経験や能力を超える不思議な力が働いていたと考えるのは、私だけでしょうか？

富士川碧砂さんのことは、幼いころから知っているので、占い師というより、声優・寺瀬今日子のほうが、私にとっては馴染みがあります。厳しい競争社会で戦ってきた彼女だからこそ、運というものの本質を、深く掘り下げた内容。私も、経営者としての自分の人生に照らし合わせて、考えさせられました。

運は勝つためのものではなく、勝とうとするプロセスの中で学びとるもの……という言葉に深くうなずけるものがありました。
これからも声優と占い師、二つの仕事でのご活躍を祈っています。

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作曲家／尺八演奏家
著者
中村明一さん
http://www.kokoo.com

富士川さんの声は凄い！
どのように凄いのか。それはその音質、倍音構造にある。「整数次倍音」と呼ばれる倍音が非常に多く、しかも高周波に渡っているのだ。

最近の研究で、この類いの音は脳に働きかけ、人間をとてもよい気持ちにさせることが判ってきている。α波が出たり、様々な快感物質が脳内から出てくるのだ。従ってそれを聞いた人は、その発音者に対して、好意を抱いたり、カリスマ性を感じたりする。具体的に言えば、読経、声明、祝詞などの声である。個人で言うならば、黒柳徹子、タモリ、浜崎あゆみ、松任谷由実などの声だ。

最近、富士川さんとお話させていただいた。富士川さんの高周波を聞いているうちに脳が痺れたようになり、何とも気持ちよくなってきた。

さて、この本であるが、私自身は「占い」と言うことについて、あまり詳しくはない。しかし、そう言った面を除いたとしても、「如何に生きるか」、「ポジティブに生きるにはどうしたら良いか」、「無意識の領域をどうコントロールしたら良いか」といったことに関しては、とても良くできた、優れた本であり、素晴らしい本だと思う。私もこの本に習って幾つかのことを実践してみたが、私の周りの小さな世界から、全てが少しずつ良い状況に転じてきているようだ。今後が楽しみである。

これは未来への扉を開いてくれる本である。
是非、手に取ってみてください。

★

『あなたの願いを叶えてくれるルーン占い入門』著者
石川楓花さん
http://maple-forest.jp/

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今週から学校始まったんやけど、速攻蕁麻疹できた。